穴を掘る人の物語

穴を掘る人のスペイン冒険の旅 vol.5

穴を掘る人のスペイン冒険の旅 vol.5

スペインに戻りましょう。 その狙っているMeditations Holeのための土地まで、車では15分なのに徒歩だと山を登って1時間。 車がなかったので歩いて行きました。 すると、その敷地の隣の家の裏庭に、高さ3-4mの大仏が鎮座されていました。 え? どういうことかわからず、その家を四方八方から覗き込むと、どうやらアートみたいなものが山ほど置いてあります。コレクターなのでしょうか、、でもなぜ大仏? 後からわかりましたが、スペインでは、よく大仏を見受けます。流行り?ともいえる、深い信仰心ではないみたいです。でもかと言ってブッディストの日本人が家にキリストとかマリア様を置いたりは、、、なかなかしませんよね。ガネーシャならあり得るか。 宗教観もだいぶ淘汰されてきたとも言えます。日本人はよく教会で結婚式をしますよね、あれはクリスチャンにとって意味不明です。   さて、そうこうしているうちに、ビザについての問題が立ちはだかります。なんせ観光ビザというのは、シェンゲン協定国の中に、180日中90日しかいられません。 その他のビザをゲットするには、500,000€以上(約7000万円・2022年現在)の不動産投資か事業投資、会社設立、就職して労働ビザ、婚姻ビザ、くらいが普通に考えられる可能性です。 私の状況で1番可能性があるのは、、会社?ということでいくつか法律事務所に行ってみました。 数社とも同様に、日本の会社の子会社を作るというのがいいのでは?とのことで、 その中で良心的だった1社に、地方創生や活性化をメイン事業に提出して、見積書を出してもらうと、初期費用17,000€(当時日本円で250万円ほど)、その後の月々もかなり…とのことでした。現地ローカルの法律事務所はそんな破格ではありません。恐らく10分の1でしょう。   ひとまず保留。w こういう時は置いておくのが良い。粘らない。 人間って、'諦めない!'みたいに頑張ってきたけど、 '諦める!' も大事だと私は思います。 時が来れば動き出すのですから。足止めは、その時じゃないサインだったりします。 とにかく無理をしない。 無理矢理動かそうとしても、身体が疲弊しますし、プレッシャーで心の平穏も保てません。   このスタンスもやはり、人生の体験で学びました。 だって私たちは、この星に、この身体を持って、 '体験するため' に生まれてきたのですから。  ...
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PP.OPENのお話

PP.OPENのお話

あれは遠い昔のお話で、と言っても5年前の今日11月11日です。 PPがOPENしたのです。   私は美大を出てからすぐ結婚し、子宝3人に恵まれ、主婦をしていました。 アートを制作したい。という気持ちを横に置いて‥ そうです、両立できないと思い込んでいたのです。思い込みは、人生を創りますね。 11月11日より数ヶ月前、ある日突然、私の身体は発狂したのです。このままの生活は望んでいない!何か創るのだ!という直感と共に、何も食べられず、動かなくなってしまったのです。 そんなことある?とお思いでしょう。 可愛い我が子が「お茶ちょーだい」と言っていても、お茶があげられないレベルです。 そのうち、身体の中が渦に飲み込まれたように動き出し(と感じました)、つわりのような車酔いのような状態が数週間続き、とうとう涙が止まらなくなりました。 頑張って家族のご飯を作るも、全部焦げる。もう意味がわかりませんでした。 どうにかしてこの状態を打破したい、、、と思いながら、何も変わらないまま、もちろん家族は気付きます。彼女がおかしい! 体調がおかしすぎて思考回路はショート寸前だった私が言った一言。 離婚したい‥ 自由の翼をくれ!!籠の中はもう嫌だ!ということだったのだと思います。 いわゆる家族を形成してきた私たちは、知らず知らずのうちに、自らを縛り付けていたのです。 申し訳なさでいっぱいでしたが、その他に解決策が見出せなかった。 数ヶ月は討論と試行錯誤が続きました。 そんな中、一筋の光、それがPP.OPENという存在でした。 アートなのかアート集団なのか、レーベルなのか、ブランドなのか、全くわからないまま、ロゴを作ったり、商品のようなものを作ったりする時間だけ、気持ち悪さを忘れられる時間だったのです。 なので私にとっては命の恩人のような存在です。 5年前の今日、OPENを記念して、私は右耳と左耳に1つずつピアスの穴を開けました。 そして今日、5年ぶりにまた、右耳と左耳に1つずつピアスの穴を開けました。 これが穴掘りと関係しているのかどうかは、、、わかりませんw   ANA   全記事はこちら   SAKI...
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穴を掘る人のスペイン冒険の旅 vol.4

穴を掘る人のスペイン冒険の旅 vol.4

こんにちは。 自分の文章を読み返していたら、、、面白かったこともたくさんあったけど、なんか修行を思い出してきました。 そう、実はもがいていたのです。 孤独との闘い、危険なことが起こる可能性もあるので、なんだかんだ気を張っていないといけない、とか。 1年も経ってないけど、今思えば、成長のために起きたもので、苦しむ必要はなかったのだけど、苦しんだからそれがわかる、とも言えますね。 ああ、人生。魂の成長。 旅や、大きく環境を変えることって、急成長を促します。 だから欲しい人にはかなりおすすめの強引な方法。 毎日食べていたものを辞めるとか、いつもと違う髪型にしてみるとか、初めてネイルサロンに行ってみるとか、日常の小さな一つ一つもかなりおすすめですが、私はもう、思い立ったらもうスペイン、、でしたね。。 そこに思考はなかったですw   ANA掘りも、肉体を動かす(結構重労働)ために、自然と思考って止まるんですよね。だから好きです。爽快です。   どんな修行だったかというと、 まず、常にひとりということ、その環境を何も知らないこと、この二つだけで、恐ろしいほど日常が変わりました。 日々、こどもや友人、仕事の人、どうしても人間に影響されるし、時には振り回されます。よく知った街では、買い物でもなんでも、ほとんど無意識でこなせます。全部意識的になってませんよね?いつものお店に、ここ曲がって、まっすぐ行って、なんて考えずに気づいたら着いてますよね? 恐らく旅行も同じですが、この度はどちらかというと、非日常な特別な旅ではなく、それよりも少し長く、’暮らし’に行ったので、余計に体感したんだと思います。 スペインに暮らし始めた人のつもりで生きていましたら、ホームシックとでも言いますか、寂しくなったりもしました。 でもこれがやりたかったんでしょ!と言い聞かせながら、、、えーん。   まあそんなことをやりながら、得たものはとてつもなく大きかった。 自分の嫌な部分もたくさん見たし、そんなもんよ、と励ましたり、なんだかんだで楽しみながら頑張った分、強くなりましたとさ。 今、四六時中、’本当に幸せ〜’ と感じられるのは、こういった一つ一つの体験のお陰さま。   皆さまも、お辛いときは、幸せチャージだと思ってさらっと受け流してみてはいかがでしょうか〜 発見がたくさんあります! あ、発見といえば、ご存知の方多いと思いますが、スペインって日曜日ほとんど閉まるんですよね、お店。みんなが休んでるから営業したら儲かる!と考えません。私も休みたいわけです。 ゆるいです。  ...
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穴を掘る人のスペイン冒険の旅 vol.3

穴を掘る人のスペイン冒険の旅 vol.3

さて、とうとう2月の旅に出ましょう。 の前に!!!余談ですが、現在は2022年11月なのですが、昨夜の、400年以上ぶりの満月&皆既月食!!をフルで見てしまって興奮冷めやらぬ状態です。 前日から体調崩し、とにかく眠くて眠くて、ただでさえ満月の影響を受けやすいのに、昨夜の威力は尋常じゃなかった。生きててよかった。   さて、とうとう2月の旅に出ましょう。はい。 この時の覚悟も私にしてはすごかったのです。もう日本に帰ってこないかもしれない、くらいの。(いつも大袈裟ですが、本当にあるんです!奇跡は! 帰りましたがね) スペイン在住の友人たちに会うこともなく、行くとも伝えず、空港からその例の土地(前回の記事参照)に直行。の前にホームセンターでシャベルを購入。 穴掘り屋さんとして最高にミニマムな旅の始まり。 バルセロナの郊外に…誰も知らない、新しい町。ワクワクと不安と緊張と興奮が混ざったような説明できない心情でした。 翌日、例の土地を見せてもらいに行きました。 海の見える、丘の一角で、朝日も夕日も見える、本当に素晴らしい立地。そしてここはナショナルパークも近くにあるので、建設可能な土地はなかなかないのだが、建設可能。夢は膨らむばかり。 しかしこの目で見てしまうと高鳴る鼓動と比例して、夢見る少女もかなり現実思考に、、、どうやったら実現できるの??苦笑 まあ、とりあえずこの町のことを知ろう。うろうろしてみよう。 いや、とりあえずビーチでANA掘ろう。w その帰り道のこと、BAR(とはいえテラスがあってほぼカフェのような存在)に寄った。こんなところに日本人すらほぼいないのに、シャベルを持っている日本人は、間違いなく私一人。 一人の陽気なじいさんがスペイン語で話しかけてくる。(後に違う友達から聞いたのだが、私にシャベルで殴られるんじゃないかと思っていたらしい) ふざけた話ばかりしているが、さらっとお父さんが80代で先週亡くなった話もしてくる(後に違う友達から聞いたのだが、90は超えてたし、もう3週間前だと言っていて、実父に対してもテキトーなスペイン感をじわじわ感じた) そして数日経ち、そのじいさんはほぼ毎日そのBARにいることが判明。ビーチに行く道沿いにあるので、ANA掘りに行く=そのじいさんと会う。という無限ループが出来上がってしまった。 おかげさまで、良くも悪しくも、あの土地にどうやったら、、、という堅苦しい思考は薄れ、気長にいこう、、、という気分に。 どうやらこの小さな街の人は、ほとんど知り合い。なぜならみんなここで生まれ育っているから、家族もたくさん住んでいるし、みんな知ってる。道を歩いていたら100mで5人は挨拶する勢い。ましてや1日中BARにいるこのじいさんは、ひたすら挨拶して1日が終わるでしょう。年金暮らしだそうで、1ヵ月1100€貰ってるらしい。この事実は私が知ってるくらいだから、町中の人が知っていると思います。それを全てBARで使っていることもw これが、パコというじいさんの話。スペインは、同じ名前ばかりで、パコ、チャビ、ダニエル、セルヒオ、、、親子で同じ名前もよくある。日本人のキラキラネームなんかは到底理解できないはず。 ANAもいっぱいいます。なので私はよくANAと呼ばれるけど、意味を考えると、変です。でももうわかりやすいからいいです。例の土地のオーナーも、ANAさんでしたよ。穴祭り パコのせいで!長くなったじゃないか!もっともっと面白い話あるのよね。   つづく....   ANA   全記事はこちら  ...
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穴を掘る人のスペイン冒険の旅 vol.2

穴を掘る人のスペイン冒険の旅 vol.2

2月の旅の前に、日本にいる間の動きを振り返ってみます。 1つのアイデアが湧いてきました。 地下にある ’Meditation Hole’  (画像参照)  ANAを掘っている時のあの快感、爽快感、開放感、集中力、自分と向き合える時間、何もない空間にいる感覚、ゼロに戻っていくような、重荷がない状態。 そんな神聖な空間を創りたかった。そのプラン作りに力を注ぎました。   実は12月の旅で、ミラクルとしか言いようがない出会いがありました。 私と同じような穴を同じ時期に掘っていた人に会ったのです。 こういったミラクルというのは、純粋に生きている時に起こると思います。 全ての流れが、私の意図ではなく、とんとん拍子だったのです。(流されて生きるのは得意かもしれません)スペインに着いたその足で、作品の搬入に行きました。その後紹介された方に会う予定で、その方は私をとあるスタジオに連れて行ってくれました。そうしたら今度は、そこにいた方が、アーティストが集まるシークレットパーティーに行こうというのです。時差ボケで朦朧としたまま、たった数時間で向かった先に、 そのANAの人はいたのです。 「穴を掘っています。」 私の自己紹介は昨今ずっとこれ。ご想像通り、言った途端に質問が飛び交います。 だけどこのANAメイト(勝手にそう呼びます)は、一瞬で穴掘りの極意を理解していました。 そんな人もいるんだなー。 とその日は帰りましたが、数週間後に再会した際、彼も丸いANAを掘っていたことを知りました。だからか!ガッテン!   話は戻り、瞑想ホールのアイデアがどんどん膨らんでいたその頃、このANAメイトは、それにばっちりの土地を見つけてくれたのです。 日常が全てミラクルになったのかと思いました。 心の奥底からワクワクして、やり方が全くわからないけどやりたい!と、こどものように興奮していました。 これこれこれこれ!!まさにこのワクワク!!ゾワーーーっとエキサイティングするこの感じ!!! 久しぶりでした。すべてを思い出した気分でした。 その土地を買うお金もない、方法もわからない、それでも私はその土地を見にいくことにしたのです。 これを我慢して私の人生良くなるワケがない!そのぐらいの勢いです。 ワクワクやパッションというのは平気で現状を壊してくれます…w   結局まだ2月の旅まで綴れなかった、、、    ANA...
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穴を掘る人のスペイン冒険の旅 vol.1

穴を掘る人のスペイン冒険の旅 vol.1

突然ですが、綴りはじめます。 そうです、思えばスペインの冒険も突然始まりました。 私という人間は、本当にいつも突然はじめます。 もちろん計画は一切なく、ただの’直感’に突き動かされています。 周りの人を驚かせてしまうことは多々ありますが、このようにしか生きられない私を、愛おしく思います。すいません(ここで小さく謝ります)。 そして昔はもちろんこんなに自由ではなかったです。どのようにして翼を手にしたか、もゆっくりとお伝えできたら、、、一人でも共感していただける方がいらっしゃいましたら、、、   さて、スペイン冒険の旅 vol.1 はじまりはじまり〜。 2020年末、私はバルセロナへ飛び立ちました。 穴を掘りはじめたのは、その年の春、コロナが始まった頃、もちろん突如はじまりました。 バルセロナに向かうのは、過去に制作した作品を納品しにいくためでしたが、せっかくの年末年始!とのことで、1ヶ月ほど滞在しました。 サンセバスチャンや、マヨルカなどにも立ち寄り、久しぶりにスペインを肌で感じ、各所でANAを制作していく中で、’この国にいたい!’そう感じたのです。 そして私は、今、穴を掘ることしか興味がないな、ということも気づきました。w 日本で掘っているのとは全く違う新しいANA、空気、文化、人々、全てが違うのです。そしてそれがとても心地よいのです。 今までも私は、如何に直感を磨くか、に力を入れてきました。 人生の早い段階から、自分の中にある絶妙な感覚の違いや、小さな閃きを見落とさない力、それが自分の声を聞く最善の方法だと信じていたのです。 がしかし、人というのは知ってはいても無視したり封印したりしてしまうものです。それを、これまでに起きた試練が気づかせてくれます。   2023年1月に日本に戻り、どう考えてもまたすぐスペインに行ける状況ではなかったはずです。が、こういうときは宇宙の采配でしょうか、行けるのです。この間もスペインでやりたいことのアイデアがどんどん膨らんでくるのです。湧き出てくるのです。今まで何してたんだ!ってくらい、インスピレーションが降り注ぎ、まるで体の中が無限大でした。 そうして2月に再来。また次回!!!   ANA   全記事はこちら   SAKI FURUYA https://sakisakiartes.com
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